エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
土曜になり、布施に会うために瑞希は出かけようとしている。

玄関先で見送ってくれるのは母で、居間にいる海翔はゴーゴーレンジャーのDVDに釘付けだ。

瑞希が海翔を残し夜に外出するのは初めてのことで、さっきまで一緒に行くと言って泣かれて困った。

新しいDVDを買っていなかったら、出かけられなかったかもしれない。

なんとか聞き分けてくれてよかったのだが、それでも晴れやかな気持ちではなく息子を置いていくことに罪悪感を覚えて眉がハの字に下がった。

すると母に笑って肩を叩かれた。


「あんたも息抜きが必要でしょ。ひとり親だからって自分の時間の全部を海翔のために使ったら、苦しくなって潰れるよ。幸いお母さんとお父さんはまだ元気なんだから、頼りなさい」

「ありがと……」


それも子を想う母ということなのか、温かさに瑞希の目頭が熱くなる。

しかし菩薩のように見えていた母の笑みが、「ところで」という言葉で意味ありげなものに変わった。


「誰と食事? 学生時代の友達? それとも今の職場の人?」

「前の職場の上司。ええと、仕事紹介とかそういう話じゃないんだけど、会いたいと言われて……」


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