エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
なぜここを予約したのだろうと思いつつ、コートを預け、黒服のマネージャーの案内で足を進める。

フロアに見えている範囲のテーブルは素通りし、奥の扉の向こうへ。

その先には通路が続き、真鍮のとってが美しい白いドアが三つ並んでいた。

その一室に誘われる。

八畳ほどの広さの個室の天井にはシャンデリア。

窓は開口が広く、夜景が宝石のようだ。

壁には油彩画が飾られ、まっさらな二重のクロスをかけたふたり掛けのテーブルセットが中央にある。

ここはどうやら、VIPのためのスイートルーム。

「岸田さん、無理を言ってすみませんでした」と布施が声をかけた。

岸田と呼ばれたマネージャーは、上品に笑む。


「ちょうどこの部屋のご予約にキャンセルが出たところでしたので、お気になさらず。布施様のご要望にはいつでもお応えする所存ではおりますが」

「ありがとうございます」


どうやら布施は常連客のようだ。

いつもは誰を連れてくるのかと、つい余計な想像をしてしまう。

(仕事関係の要人、というのが妥当かな。もしかすると、女性を伴って? 京香さんともよく来ていたのかもしれない)

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