エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
 顔を引きつらせた蛭間だが、「ああ」と思い出した瑞希に、気を取り直したように話を続ける。

「今度、遊園地に行かない?」

蛭間が誘ったのは、ウサギのキャラクターで有名なテーマパークだ。


「え? 職場のみんなでですか?」

「俺と森尾さんとお子さんの三人で。駄目、かな……?」


 ホテルの門柱を照らす明かりの下でもはっきりわかるほど、蛭間の頬は赤い。

(どうして私と海翔を誘うの?)

 目を瞬かせた瑞希だが、やっと気づいた。

 好意を持たれていることに。

(じゃあ、前にスイーツバイキングに行こうと言われたのもデートの誘いだったの? 未婚のシングルマザーでアラサーの私より、鏑木さんのような若くて可愛い子の方がいいでしょう。どうして私を!?)

 瑞希の頬も熱くなる。

 三十間近であっても恋愛経験が乏しいので、動揺して鼓動が加速する。

 蛭間に恋愛感情を抱くことはできなくても、異性として初めて彼を意識した。

「あ、あの、お誘いありがとうございます。でも私――」

 断ろうとしたその時、「お待たせ」と声をかけられた。

 振り向くより先に、声の主が瑞希の隣に並んだ。

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