エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
 その顔を見ると布施で、瑞希は目を丸くする。

「布施さん!?」

 昨日といい今日といい、意表をついて現れる彼に瑞希はまた驚かされる。

 どうしてと問う前に、作ったような笑みを浮かべる布施が蛭間と対峙した。


「職場の方ですか? いつも妻がお世話になっています」

「妻!?」


 聞き返した蛭間は口をパクつかせている。

 瑞希は唖然として、布施の横顔を見つめる。

 アーモンド形の目が、心なしか挑戦的に光って見えた。

 蛭間が瑞希に問う。


「森尾さん、シングルマザーだと言ってたよね?」

「そうです。未婚です。こちらは前職の上司で、えーと……」


 なんと紹介すべきか迷ったら、布施が瑞希の肩を抱き寄せた。

 肩を掴む大きな手から伝わるのは、独占欲だ。

「きゃっ」と驚きの声を漏らした瑞希は、たちまち鼓動を高まらせる。

(この腕はなに!? 蛭間さんと私の会話を聞いていて、嫉妬してるとか?)

「失礼。近々結婚するものですから、先走って妻と言ってしまいました。私の大切な女性と言うべきでしたね。ちなみに彼女の子供は正真正銘、私の息子です」

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