エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
『瑞希の嘘つき』

 怒っているというより、拗ねているような口調だ。


「ええと……布施さんのことかな?」

『それ以外、なにがあるというの? 海翔くんの父親、やっぱり布施さんじゃない。私には嘘つかないでほしかった。瑞希の友達の私が、その事実をなんで小堺さんから聞かないといけないのよ』


 外交官時代一番親しい付き合いをしていたため、余計に傷ついたと真野は言う。

「ごめんね……」

 謝るしかなく申し訳なさに黙ったら、『まぁ、いいわ』とアッサリとした返事をされた。


「許してくれるの?」

『別に怒ってないよ。文句を言ったらスッキリしたから、それはもういい』


 さっぱりとして切り替えが早いのが真野らしい。

 その性格に助けられ、友人を失わずに済んだ瑞希はホッと胸を撫でおろした。

『それでね』と真野が、電話をかけてきた一番の目的を口にする。


『布施さんの元婚約者のお嬢様、覚えてる?』

「うん。文科省の事務次官の娘さん。京香さんでしょ? 会ったことはないけど」

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