エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「おとーしゃんとあしょぶの!」

(お父さん子に育ってくれるのは嬉しいけど、お風呂は入って)


 イヤイヤ期はあと一、二年続くだろう。

 困り顔になった瑞希に対し、なぜか潤一が張り切った顔をする。


「俺が海翔を風呂に入れるよ」

「えっ、大丈夫ですか?」

「ああ。今日ならいけそうな気がする」


 入浴と寝かしつけは、瑞希か瑞希の母でなければ海翔は嫌がる。

 これまで潤一は何度かチャレンジしたのだが、ことごとく拒否されてきた。

 なので、出張帰りで甘えてくれる今がチャンスだと思ったようだ。

「海翔、お父さんとお風呂に入ろう」

 膝の上の海翔に、笑顔で誘う潤一。

 しかしながら返事は、「はいりゃない」であった。


「ママと」

「さっき、ママが誘ったら入らないと言ったよな? だからお父さんと――」

「おとーしゃん、イヤッ。ママがいいの!」


 瑞希とでなければ駄目なだけで決して父親が嫌いなわけではないのだが、海翔の拒絶に潤一がショックを受けていた。

 慌てた瑞希は、咄嗟に「じゃあ三人で」と言ってしまう。

(あ、それだと私が恥ずかしい思いをする……!)

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