エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「あの、まだ語彙が足りない二歳児なので、本当に嫌いなわけじゃないんです。お父さんが帰る日を指折り数えて待っていたんですよ」

 傷ついている潤一を慰めつつ、海翔を叱る。

「海翔、嫌いという言葉は人に向かって言わないで。海翔も言われたら嫌でしょ? ほら、お父さんすごく悲しそうだよ。お父さんは海翔のこと大好きなんだから」

 瑞希の胸に顔を埋めていた海翔が、チラリと潤一を見た。

 そしてゆっくりと瑞希から離れると、潤一にぎゅっと抱きつく。


「おとーしゃん、キライない。しゅき。ごめんなしゃい」

「海翔……」


 潤一がホッとした顔で息子を抱きしめ返し、瑞希も安堵したのだが――。


「よし、それじゃあ、三人で一緒に入るよな?」

「おとーしゃん、ダメ。海翔とママ」

「かたくなだな……」


 有能な外交官でも、二歳児相手の交渉は難しいようだ。

 渋い顔をする潤一を、瑞希がクスクスと笑う。

「なんだよ」とむくれてみせた潤一。

 けれどもその後には、「今年中に一緒に入ってみせる」と闘志をみなぎらせている。

(イヤイヤには困るけど、こういうのっていいかも)

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