エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「お母さん、それで十二着目だよ。先週も別の店で買ったのに」と海翔も呆れていた。

 海翔が持っているカゴの中は、どこで着せるのかというようなドレッシーなワンピースからスポーティーなデザインのものまで、帆香の服で溢れそうになっていた。

「女の子の服って可愛いのがいっぱいあるから、ついつい……」

 笑ってごまかしつつ、「この後、海翔の服も見に行こうね」とフォローのつもりで言ったのに、父と息子よく似たふたつの顔が揃ってしかめられた。

(妻のショッピングの長さに夫がうんざりするというのはよく聞くけれど、海翔もなんて早すぎない?)

 広い館内をあれこれ見て歩き、あっという間に二時間ほどが経った。

 帆香はベビーカーに乗せるとよく寝てくれる。

 今もスヤスヤと昼寝中である。

「あとは一週間分の食材を買わなくちゃ」

 食品館に向かおうと方向転換した瑞希を、潤一が「おい」と止めた。

「足、どうした? 歩き方がおかしい。痛いのか?」

 指摘の通り、瑞希はひょこひょこと右足を庇うように歩いていた。

 実は新しいパンプスを履いてきたため、靴擦れしたのである。

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