エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「また? ばあばは雑学クイズバトルが見たいな。かけていい?」
「じいじは野球が見たい」
「ダメ! ゴーゴーレンジャー、もういっかい」
海翔が泣かずに相手に譲れるようになるのは、まだ二年ほど先であろうか。
どの子もたいてい、この道を通るとはいえ、両親に我慢させているのも忍びない。
(外交官時代の貯金はまだあるし、テレビをもう一台買おうかな。でも、いつなにがあるかわからないから、まとまった額も確保しておきたいし)
預金通帳の残高を思い浮かべ、どうしようかと悩む瑞希であった。
布施との約束の日が訪れた。
今日の瑞希は十四時半までのシフトで、タイムカードを押して退勤した後、更衣室で着替えてメイク直しをした。
ホテルを出る前に客用レストルームに入り、洗面台の大きな鏡で全身を確認する。
ワイドパンツに薄手のニットとジャケット姿で、アクセサリーはなし。
あえて普段通りの格好をしているのは、自分に注意を与えるためだ。
今日が近づくにつれ、ドキドキと胸が高鳴り落ち着かなかった。
デートではないのに浮かれるなと、何度、自分を叱ったことか。