エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
窓際の中ほど、ふたり掛けテーブルに布施がいて、瑞希に向けて手をあげて居場所を教えている。

待ち合わせであることを店員に告げ、瑞希は布施のもとへ。

口角を少し上げ不自然に見えないよう歩調に気をつけつつも、すでに鼓動は二割増しで鳴り立てていた。

ショルダーバッグの肩紐を握る手は、緊張のせいで冷たい。


「布施さん、お待たせしました」

「いや、俺も着いたばかりだ。仕事終わりで疲れているところ、すまないな」


よくある待ち合わせでの会話を交わす。

布施も瑞希と同様に、作ったような笑みを浮かべていた。

注文を取りにきた店員に、布施はコーヒー、瑞希はカプチーノを注文する。

軽食やデザートを布施に勧められたが、断った。

のんきに味わっている心の余裕はない。

「布施さんの私服姿、久しぶりに見た気がします」

取りあえず、気づいた点を話題にする。

彼は白いVネックのカットソーに、紺色のジャケットと黒いパンツを合わせていた。

ヘアスタイルはナチュラルに崩し、前髪が額を斜めに覆っている。

端整な顔と長身のスタイルはモデルのようで、ドキッとするほど素敵だ。

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