エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「布施さんには心から感謝しています。だからこそ、もう私に構わないでください。ご迷惑になるだけです」

「森尾の性格として、不要な優しさと余計な気を使うという面もあったな。俺に妊娠を教えなかったのは、それが理由か?」

「違います! 本当に布施さんの子じゃないんです。信じてください」


つい大きな声を出してしまい、ハッとして首をすくめた。

周囲の客や店員が、こちらを気にして聞き耳を立てている。

(恥ずかしい。布施さんにも恥をかかせてしまう)

布施が初めてコーヒーに口をつけた。

ひと息ついてから、彼はジャケットのポケットに手を入れる。

財布を出したのでこれでお開きという意味かと思ったが、お金ではないものを取り出していた。

見せられたそれは、一枚のメモ用紙。

手のひら大で、白地に四葉のクローバー柄のそれには見覚えがあった。


「これって……」

「三年前に森尾がくれたものだ」


布施の急なアフリカ赴任が決まったのは、体を重ねた日からひと月半ほどのことだった。

その時の瑞希は、妊娠にまだ気づいていなかった。

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