エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「ひとつ誤解がある。酔ってはいたが、理性をなくしていなかった。記憶も少しはある。森尾を拒もうと思えばできたのに、しなかったんだ。お前が無理やりしたことではない。結果として俺は慰められた。謝罪しなければならないのは、俺だ」


布施が背筋を伸ばして頭を下げた。

そんなことをされては、ますます困ってしまう。

「あの、もうやめましょう。三年も前のことですし、謝って謝られてキリがないです。それに私、もう帰らないと。十六時に海翔を迎えにいくと保育園の連絡帳に書いたので」

時刻は十五時半になっていた。

初めから三十分程度と約束していたことなので、そろそろ切り上げ時だ。

バッグを手に立ち上がったら、布施に言われた。

「また会いたい。今度は海翔くんも一緒に」

瑞希の眉尻が下がる。

「布施さん……信じてください。あなたの子ではありません。ですから、もう会う必要はないんです。どうかお元気で」

足早にカフェを出てから、カプチーノ代を払っていなかったと気づいて足を止めた。

けれども振り返らずに、そのまま駅方向へ歩みを進める。

瑞希の目には涙の幕が張っている。

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