エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
奢らせて申し訳ないが、引き返すわけにいかなかった。

(もし私が認めたなら、布施さんは責任を取ろうとするだろうな。認知をして養育費を払うつもりなのかも。それはいらない。勝手に産んだのは私だから、布施さんの人生に傷をつけたくない。彼のためにだけじゃない。そうしないと私が自分を許せないから。海翔の前で笑えなくなる)


涙は流さずに耐え、電車移動して保育園についた。

園庭で遊んでいた海翔が駆け寄ってきて、瑞希に飛びつく。

十二キロあるその体を「よいしょ」と抱き上げた。


「ママ、お帰り!」

「ただいま。海翔、今日はなにして遊んだの?」

「んーとね、ダンゴムシ。あっち、石のとこ。いっぱい」

「そ、そっか。ダンゴムシ、丸まって面白いよね」

(正直、虫は苦手……)


海翔の好きなものは、ゴーゴーレンジャーと新幹線と昆虫で、興味の対象が男の子らしい。

虫を見ると鳥肌が立ってしまう瑞希だが、海翔のためならダンゴムシ探しに付き合おうと思えた。

十分ほど建物の陰にある縁石のそばでダンゴムシと遊び、先生に挨拶してから帰路につく。

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