エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「遊べないよ。もう帰らないと」

「ヤダー!」


布施がしゃがんで海翔と目の高さを合わせる。

至近距離で息子を見つめる彼に、瑞希はハラハラさせられた。

(似ていることに気づかれたらどうしよう。海翔を隠したいけど、もう遅いよね。変に逃げの姿勢を取れば、余計に怪しまれるかもしれないし)

じっと海翔を見つめる布施の目が、優しげに細められた。

「今日はおじさんも帰らないといけないんだ。次に会った時はたくさん遊ぼう。ゴーゴーレンジャーごっこをするか?」

ゴーゴーレンジャーを布施が知っていることに驚いた。


「しゅりゅ! 海翔はレッド」

「主役だな。おじさんはなんの役?」

「アックジャガーメア」


それは悪役のボスキャラの名だ。

このようなヒヤヒヤものの状況にも関わらず、布施が演じるなら悪役ではなくクールなヒーロー、ゴーゴーブルーでしょ、と瑞希はツッコミたくなる。

悪役に指名されても、布施は嬉しそうな笑みを浮かべている。

そしてアックジャガーメアのいかにも悪役らしい台詞を、声色まで真似て披露した。

それに目を丸くして喜んだのは、海翔だけではない。


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