エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「構わないよ。俺にも好きなものの話をしてくれて嬉しい。もったいなかったな。共に働いていた時にもっと森尾と話せばよかった。そうすれば、君と俺の間に壁を作られることもなかっただろうに」

「布施さん……」


布施の子ではないと何度否定しても、疑いを解いてはくれないようだ。

瑞希の在職時にプライベートまで踏み込んだ話をする関係であったなら、妊娠を隠さずに告げてくれただろうと思っているらしい。

(私が違うと言ってるんだから、それを信じた方が布施さんにとって都合がいいでしょう。どうしてわかったと言ってくれないの? どうして今さら、私との距離を詰めようとしてくるの……?)

神妙な顔になってしまった瑞希とは逆に、すっかりテンションの上がった海翔が遊ぶ気満々で布施にパンチを繰り出す。

威力のない可愛い拳を布施は手のひらで受け止め、笑っていた。

叶うはずがないと思っていた父子の交流に、瑞希の胸は締めつけられる。

(海翔が楽しそう。どうしよう、認めた方がいいのかな。でも、布施さんに責任を取らせたくない。恋人だったのならまだしも、私が卑怯に迫った、たった一夜の結果なのに)

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