エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
六時間以上の勤務でアルバイトにも一時間の休憩を取らせる決まりがあるそうだが、仕事の合間での細切れ休憩となってしまう。

昼食もその時にとる。

瑞希が地下の社員食堂で無料の賄い飯を食べていると、蛭間もやってきた。

昼時はとうに過ぎているため三十席ほどの九割が空いているというのに、中華丼をトレーにのせた蛭間がなぜか瑞希の向かいに座った。


「森尾さん、休憩時間が偶然かぶったね」

「そうですね。お疲れ様です……」

(休憩のシフトを組んでいるのも、あなたでは?)


作り笑顔で対応しつつも、瑞希は戸惑っている。

最近、蛭間によく話しかけられる。

以前、宿泊の外国人夫婦の件で蛭間を助けた形になったのが理由ではないだろうか。

嫌われるよりはずっといいけれど、そんなに恩を感じて気を使われると居心地が悪い。

(それに、休憩時間はひとりでゆっくりしたいのに)

瑞希の本心には少しも気づかず、中華丼を食べながら蛭間がにこやかに話しかけてくる。

昨日テレビ放送されたスイーツ特集のバラエティ番組を話題にしている彼が、ポケットからあるものを出してテーブルに置いた。


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