エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「このチケット、テレビ放映されていたホテルのスイーツバイキングのものなんだ。森尾さんスイーツは好き?」

「はい。好きですけど……」

「他のホテルの偵察にいこうと思って。付き合ってくれない? お子さんも一緒でいいよ。子供は好きでしょ、甘いもの」


瑞希は目を瞬かせ、テーブル上のチケットと蛭間の顔に視線を往復させてしまった。

誘う相手が鏑木なら納得だが、なぜ自分を……という心境だ。


「息子は二歳で、ちょうどイヤイヤ期なんです。ホテルでの食事はちょっとハードルが高いので――」

「それならふたりで行こう。男ひとりでのスイーツバイキングはなんとなく行きにくくて、女性と一緒がいい。頼むよ」

(どうしよう。蛭間さんとふたりでというのに、ものすごく違和感を覚える)


心の中で断りの理由作りをしていたその時、「これも食べて。ふたつずつね」と割烹着姿の食堂の調理師がやってきた。

鈴木という名の、ふくよかで笑顔が素敵な五十代の女性だ。

手には唐揚げが四つのった皿がある。

今日の賄い飯は中華丼だけだが、サービスしてくれるらしい。

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