世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
「その節はどうも、総一郎が世話になって……!! まさかそれ以降もお弁当を作ってもらってるなんてお父さんに申し訳な」
「あの、総一郎くんを助けたの、多分私で……」
「……ん?」
「シングルファザーの父もいませんし、家族は祖父母の家に行ってしまってるので……倒れてた総一郎くんを勝手にお世話したの……私です」
「んん?」
「……今も、一緒に住んで総一郎くんのお世話をさせて貰ってます。日比野あかりです」
「んんんん????」
あかりは隼也に握られた手を、小さな手でキュッと握り返し微笑む。
今度は隼也が宇宙を背負う番だった。
つまり、幼馴染の総一郎はシングルファザーのおじさんに助けられたわけでは無く、この可愛い女子高生に助けられ、そのまま……女子高生の家に住み着いていると……。
お世話……されていると。
状況を飲み込んだ隼也の行動は早かった。
素早く地面に頭を擦り付け、土下座をする。頭を地面にぶつけたせいで鈍い音が響き、あかりは引いて後ずさる。
「うちの幼馴染がスイマセン!!!!」
「ヒェッ」
更に恐ろしい声量で謝る隼也に、あかりは顔を真っ青にして更にドン引きした。
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