離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く
「そんなこと……なかったのに」

 わたしが見つめると、慶次さんは少し照れ臭そうに笑った。

「和歌には俺の妻としてだけじゃなく、ひとりの女性としての人生も大切にしてほしかった。だから大学生活や就職活動、他の人と変わりなく過ごせるように配慮したつもりだった」

「でも学生でも社会人と付き合っている人だっているじゃないですか」

「確かにそうだよな。でも普通のカップルと俺たちで決定的に違うのは結婚の経緯だ。俺は和歌が好きで結婚したけれど、和歌は白木さんを安心させるために俺と籍を入れた。そんな子相手に妻の務めを果たしてほしいとは言えなかったよ。さすがに」

 慶次さんは苦笑いを浮かべながらわたしの頬に手を添えた。

「わたしは……お見合いの時にこの人となら一緒にいてもいいなって思ったから結婚したんです。でも慶次さんは白木の家との繋がりが欲しいんだろうなって。今までもそういう人がいたので。でも、わたしはそれでもよかった! 慶次さんが好きだから」

 わたしの告白を彼は優しい目で見つめながら聞いてくれた。

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