離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く
 慶次さんはわたしにキスをした。

 甘やかすような優しいキスからだんだん激しくなっていく。わたしは彼の背中に腕を回し、痛みを感じるとギュッと抱き着いた。そうすることで自然と痛みが消えていく。

 わたしたちは時間をかけてひとつになった。

「和歌、愛してる。やっと俺のものだ」

 彼の動きに翻弄されながら、わたしは答えた。

「……あっ……はぁ……わたしは」

「ん?」

「わたしはずっと慶次さんのものだったよ」

 そう、お見合いで出会ってから、ずっと彼のことが好きだった。彼のことしか考えていなかった。

 そもそも彼に会うまで結婚するつもりなんて一ミリもなかったのに、慶次さんがわたしの運命を変えてしまった。

 だからわたしはずっとずっと彼のものだったのだ。

 彼にそれを伝えたかった。

 すると彼は体を倒し、わたしをギュッと抱きしめた。

「なに、その殺し文句。もうそんなこと言われたら色々我慢できなくなるだろ」

「我慢しないで」

 彼のすべてでわたしに向き合ってほしい。随分欲張りだと自分でも思うけれど、今のわたしの素直な気持ちだから。

「わかった。後悔するなよ」

 そう言った彼の目に熱い情欲が宿る。それを見たわたしの体によりいっそう高い熱が駆け巡った。

 彼は宣言通り、わたしの中をいっぱいにした。昂(たかぶ)った体は何度も限界を訴えたけれど、彼から与えられる深い愛情を受けるとすべてに応えたくなってしまう。

 そして彼と初めて結ばれた夜は外が白み始めるまで続いた。

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