離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く
「確かにわたしたちには必要のないものですよね」

 わたしの言葉に彼は「ああ」と軽く返事した後、少し考えてからわたしの隣に座る。

「おいで、和歌」

 手を差し出した彼の言う通り、わたしは彼の膝の上に移動した。すっかりこの行為に慣らされていたわたしはなんのためらいもなく彼と向かい合う。

 背後から抱きしめられると、ホッとすると同時にまだドキドキする。いったいいつになったら彼に触れられるのに慣れるのだろうか。

 彼がわたしの肩に顔をのせた。

「確かに今の俺たちには不必要だ。でもこれがあったから、俺たちは本当の自分の気持ちをぶつけ合うことができた。違う?」

「確かにそうですね」

 お互いを思いあっていたのに、言葉が足りなくてすれ違っていた。

「伝えることって大切だって、改めて思った。愛する相手にこそ遠慮したらダメだってことも。和歌もそう思うだろう?」

「はい。反省しました」

 好きだからこそ大切にしたいし、疑ってしまうし、怖くなってしまう。でもその気持ちを伝えることができたら、もっと愛し合うことができる。

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