離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く
「手助けですか?」

 彼がなにをするつもりなのかわからなくて首を傾げる。

「まずは住むところを一緒に探そう。ひとりだと足元見られることもあるだろうし、それにセキュリティなんかも心配だ」

「でも、慶次さん忙しいですよね。ひとりでなんとかしますから」

「和歌が安全じゃないと、仕事なんか手につかないだろ。迷惑か?」

「いえ、もちろんありがたいですけど」

「なら、決まりだ。不動産屋に行く時は同行する」

 半ば強引に話を決められた。本当に慶次さんは心配性で、そして面倒見がいい。夫婦じゃなくて兄妹みたいな関係だったら、ずっとそばにいられたのかな。なんて考えそうになって慌ててかき消した。

「部屋が決まるまでは、ここにいなさい。いいね」

「はい」

 確かに一度白木の家に戻ってまた引っ越しなんてことになると面倒だ。まもなく仕事も始まるので、こういうことは一気に済ませたい。
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