夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

『亜梨沙もな…おやすみ。好きだよ』

「…理玖、好きよ。おやすみ」

逃げるように通話を切ったのだが、スタンプが送られてきた。

大量のハートマークを飛ばすキャラクターに、つれなく、バイバイと手を振るキャラクターを送り終わりにした。

こちらから終わりにしなければ、いつまでも続くと思ったから。既読だけつき、その後は理玖からの返信はこなかった。

ちょっと寂しいと思うものの、このやり取りで、気分は上がり、スマホを握り締め悶えたのは単純だろうか。

その日から、朝と夜には、トーク画面に挨拶を送り、一日の出来事を簡潔に報告するものの、理玖からは、まぁ、愛想の少ない返信が返ってくる。それでも、連絡先さえ知らずにいた時に比べたらと思っていたのだが…TVから流れる山間の村でつい最近おきた土砂災害の原因発覚のニュースを見ながら、祖父が理玖と電話で会話していた後、私のスマホを見るも、何も連絡もない。

「おかしい」

「何がじゃ?」

「お爺ちゃんとは電話で話してるのに、私のとこには来ないって…忙しいんだろうし、頑張ってくれてるのは、わかってるよ。でもさ、私に割く時間の割合が、お爺ちゃんより断然少ない。おかしいよ」
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