夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
「まったく、理玖が哀れでならんの」
「なんでよ?」
「男というのは、弱さを見せんものだ。好きな女には特にな。お前の声を聞くと帰りたくなるからに決まっておろう。久世の後継者になるには、今は我慢時だと奴は理解しているというのに、お前ときたら、たかだか、それだけのことで目くじらをたておって、理玖が後継者になれば、ずっと一緒にいられるのだぞ。お前は、お前で今しなければいけないことがあることを忘れるでない」
「…忘れてないし、頑張ってるわよ。だけど、なんか、こう、乗り切れる励みがほしい…」
「………はぁー。わしも孫には甘いのかの
」
拗ねていじける私に呆れ顔のお爺ちゃんがスマホのトーク画面を開き、何かしらの操作をしだした。
「まだまだ爪が甘いが、理玖なりにわしの試練をクリアしている褒美をやらんとの。今、抱えている件が終われば帰って来させよう」
「ほんと⁈お爺ちゃん大好き」
「終わればだがの」
意味深な笑みが怖いはずなのに、浮かれている私は、件が難航するなんて考えてもいなくて、まさか、私に降りかかる事件がおきるとは祖父でさえ、予想出来なかった思う。