夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

「よく言った。さすがわしの孫じゃ。計画は完璧じゃ。武器は飛び道具がいいか?」

「そんなの犯罪じゃない。せめて警棒にしようよ。大音量の防犯ブザーとかで十分よ。影から警護してくれる人いるんでしょ⁈」

「象を気絶させるスタンガンでも用意しよう」

ずれた思考をする祖父が一般的な祖父ではないと忘れていた。

「普通のスタンガンにして」

そして、私の囮としての役目が始まる。理玖が知れば、心配して囮作戦は阻止されるだろうと秘密にしている。

今までと変わらず、習い事に勤しむ日々に、影から警護員が5名、カバンの中にはスタンガンと大音量のブザー、そしてスマホとダイヤのネックレスについたGPSが起動している。

お父さんが、祖父の命を受け、何人かの弱みをつかみ、秘密裏に破産へと追い込み処理しているらしい。

優しく見える父だが、案外、恐ろしい人なのだと。さすが、久世の血と祖父は高笑い。

それなら、後継は、父でよかったのではと…思うが、いまさらだ。

母曰く、子供の為なら親は鬼になれるのだそうだ。

だが、父が手を出せない強者がいる。

その厄介な人が、今目の前にいるこの人だ。

祖父の弟。

「亜梨沙ちゃんじゃないか⁈お稽古の帰りかい?」

「上坂のお爺さま、お久しぶりです」
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