夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
久世の名は後継の家のみの為、後継から外れれば養子に出されるのが、この人達までのルール。
古臭い決まりが、恨みを買い、何かしらの欲望を生むのではと思っているので、私の時代には、そんなルールは絶対無くす。
「偶然だね。亜梨沙ちゃんと話をしたいと思っていたんだ。家まで送ってくがてら、積もる話をしないかい?」
偶然じゃないでしょう…
「迎えを待ってますので、お話ならここで」
「そうかい、ここで構わないよ。わしはね、亜梨沙ちゃんを後継とするなんて兄さんも酷なことをすると思っていたんだ。久世の血を残す為といえ、好きでもない男と結婚させるなんてね…わしなら、そんなことさせんよ」
はい。
訳すとこうなるだろう。
女なのに後継か。子供を産むだけの道具だろう。血統のいい男の子が欲しいからと、自分のお気に入りと結婚させてまで、久世家を守りたいのか。どうだい、わしが好きな男と一緒になれるよう手伝ってやろうか?
「理玖様をお慕いしてますの。彼と共に久世の名を守っていくつもりです」
他の男なんていらない。あんたもお呼びじゃないよ。とにこりと微笑みお返しする。
グググッと食いしばる音が聞こえそうなほど、相手の顔は笑顔なのに恐ろしい。