夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
「俺が代わりにしておいたから、会う必要はない」
拗ねたように怒る理玖の腕に抱きついて「ありがとう」と言えば、口元が緩んでいたが、表情は厳しいまま。
話を聞けば、上坂のお爺さまにも、私にも私服警官が張り付いていたらしく、上坂のお爺さまが接触してきた時点で、覆面パトカーが密かに隠れていて、本来なら、拉致られそうになり抵抗する私を救助し逮捕の予定を、私がすんなり拉致られたもので即座にシナリオを変更し、確認後、挟み込んで逮捕となった。
うーん。日本警察は素晴らしいと心の内で拍手。
拍手してんじゃないぞとジト目の理玖には見透かされていたが…
「東海林 孝臣は?」
「こいつは別案件で逮捕だ」
フフフと笑う理玖は悪い顔をしている。千堂製薬の時同様に、何かしら裏で手を回したのだろう。
丁度、ニュースの時間帯で父がTVをつけた。
『自称、貿易会社社長。東海林 孝臣被告。海外からの密入国者の売春行為。政財界との繋がりも噂され、密貿易を行っていたとの事』
「まぁ、芋づる式にいくかは、勅使川原しだいってとこだがな」
「何したの?危ないことしてないよね?」
「東海林の会社がペーパーカンパニーじゃないかって噂を聞いたから、勅使川原に世間話したぐらいだよ」