夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
急に元気になった祖父は、院長を呼んでくれとナースコールを私的に使用し、看護師長にこっ酷く怒られたのだった。
久世の当主でも、病人である限りは平等に対応することと師長の命が看護師全員に伝わったのは、私も祖父も後で知ることになる。
「それで、私の知らないところで何があったのかな?」
私のいる特別室のソファ。今度は1人掛け用に理玖を座らせ、彼の膝の上に乗り、首に両腕を絡ませ微笑んだ。
「まぁ、そう怒るなよ。怒ってるのは俺なの。俺に相談もなしに、囮とかなってるし、危ないだろう。俺は、頼りにならなかったか?」
あれ?
今、怒ってたのは私なのに、なぜ怒られるてるんだろう。
「相談しなかったのはごめんなさい。頼りにならないとかじゃなくて、後継者になる為に頑張ってる理玖には、余計な心配かけたくなくて…ごめんね」
チュッと理玖の唇に触れた。
「そんなんで誤魔化されないからな。怪しい動きがあるって勅使川原から聞いた時は、肝が冷えたんだぞ。側にいてやれないのに亜梨沙の身に何かあったらと不安で、速攻、爺さんに連絡したよ。それなのに、囮とかバカだろう」
「酷い。ちゃんと防犯ブザーもスタンガンもGPSも用意してたんだからね。護衛の人も配備して完璧だったんだけどな」