夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

「そっか…なんだかんだと心配してくれてたんだね」

「お前に何かあったらってヒヤヒヤしたが…ほんと無事でよかった。万が一があったら、あいつらどころか、俺は爺さんにも何してたかわからない」

怖い表情に、背筋が寒くなる。

「無事だったし、その話は終わり。…そういえば、勅使川原さんに脅された。彼が罪を犯せば、私がうまくもみ消すのですが、すると私も犯罪者になってしまいます。くれぐれも気をつけてくださいねって、仲良しだったんだね」

「あいつと仲良しとか、ないない。あんな腹黒、友達でもない。ただの顔見知りだ。借りは絶対返すし」

両親がいた時の話と繋げると、囮作戦できっと何かしらの借りが勅使川原さんにできたのだろう。

理玖に聞いても教えてくれないんだろうな…
いつか、勅使川原さんに会う機会があれば、聞いてみようとこっそりと思うのだった。

翌日、経過観察が終わり退院となる。その前に警察官との面会。まぁ、大体の流れは向こうもわかってるわけで、確認だろう。上坂のお爺さんは、懲罰を免れて隠居という名の隔離が決定。死ぬまで監視がつくらしい。

退院後は、廃棄物の違法投棄とか、手抜き工事による災害とか、政治家の汚職とかでワイドショーが毎日騒がしくしてる中、久世家は、お爺ちゃんの手術に、理玖のお披露目へ向けての準備や挨拶周り等で忙しい毎日だった。
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