夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

久しぶりの家族揃っての食事は賑やかで、楽しかったのだけど。すぐに立ち直った祖父の暴走が始まる。

「理玖よ。ひ孫はまだか?それだけを楽しみに手術も、リハビリも頑張ったというのに、まだ出来んのか?」

「はぁっ?ふざけんなよ。こっちは爺さんが手術して入院してる間、いろいろと気遣ってキス止まりで我慢してたんだぞ。ダラダラと2ヶ月も入院しやがって、俺の禁欲生活返せ」

「ほー、わしを理由にするなんて男らしくない。久世の当主は務まらんな。亜梨沙、今からでも勅使川原に乗り換えるか⁈」

「爺さん。亜梨沙は俺のだ」

「お断りしたの知ってるくせに」

「はぁっ?聞いてないけど、どう言うことだ?」

しまったっと目を逸らすと父がわざと咳払いし、祖父を諌めだす。

「ゴホン、ゴホン。お父さん理玖くんを揶揄うのはほどほどにしてください。明日は、久世の後継者のお披露目と2人の婚約発表ですよ」

「反応があって家はいいの。わしはもう二度と入院なんてせんぞ」

「はい、わかりましたから、もう黙っててください」

「この歳で家族団欒が楽しいと知るとは思わなかったの。これから家族も増えて、もっと楽しくなるんだ。長生きせねば」

しんみりとする空気。
それを壊したのは…
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