夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
「理玖よ。後継者として手始めに子作りに励むのが使命じゃ」
「ふん、言われなくても長い禁欲で溜まってるんだ。励んでやるよ。今日から…」
「いや無理。明日の婚約発表にヘロヘロなんてイヤ」
「ちょっとだけ…なぁ、亜梨沙」
「頼むから、親の前で明け透けに艶めかしい会話やめて…僕の前でお父さんも理玖くんを煽るのはやめてください」
勢いよく立ち上がり、居間を後にしてまた戻ってきた。
「理玖くん今日も、ダメですからね」
そう言い残し、夫婦の部屋へ。
「あら、まぁ。娘のことになると、クソ旦那ね」
お母さん…辛辣だ。
「さて、お父さん、そろそろお部屋に戻りましょうね。お連れしますよ。若い2人の邪魔になりますからね」
お母さん…。さりげなく毒吐いてるし、強い。
「そうじゃの。寝るとするか」
唇を左右に広げ、目を大きく開いた顔の後『かなわんの』と私達に顔を向けた。
「お爺ちゃん、おやすみなさい」
苦笑いしつつ手を振ると、可愛らしく振り返してくるお爺ちゃん。
「あーしてると可愛い年寄りだって思うんだけどな…」
「思わない。それよりも亜梨沙、勅使川原に乗り換えるとか言う話は、どう言うことだ?」
「覚えてた⁈」
「当たり前だ。爺さんが話を逸らしたが、しっかりと覚えてる」