夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
ほらな…と目配せさせながら「おはようございます」と声をかけた。
すると、襖が開いてお父さんが立っている。
「あっ、あぁー亜梨沙。聞こえてたかい?」
「ばっちり」
「その、お父さんは、理玖くんを後継者として厳しく接しようと…ま、まさか、こ、ここで寝てたのかい?」
言い訳探しで、目を彷徨わせていて、布団が目に入ったらしく、動揺が増した様子。
「うん、一緒に寝てたよ」
『亜梨沙、頼む。怒りを煽るな』
『えっ、なんで。ほんとのことじゃん』
小声の会話に、父は何を思ったのかワナワナと体が震えだした。
「お父さんの考えることしてないからね。ただ、一緒に寝てただけ」
「理玖くん、約束は…」
「守ってますよ。昨夜は、地獄でしたけど我慢しました」
「だけど…一緒に寝てた痕跡に出くわすなんて…」
ぎろっと父が理玖を睨んた。
「ぼ、僕はね、君を信じていたんだよ。日暮夫婦に君達が、そういう関係になっただろうって聞かされた気持ちがわかるかい?」
「はぁ…会ったこともないのに信じられてもね」
「君のそういうところ、僕は嫌いだ。黙って最後まで聞く」
始まったぞと、理玖が私を見て肩をすくめた。
「…」
「返事は?」
どこの暴君だ?