夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
「お父さんが黙れって言ったから黙ってるんでしょ」
「あ、りさ…理玖くんの味方なのかい」
拗ねだす父は、めんどくさい。
「いい加減にして、何が気に食わないの?理玖に当たらないで私に言えばいいでしょう」
「ありさ…」
「ここで寝てたのも、島でのことも私が望んでしたことよ。子供じゃないんだから、ぐちぐち言わないで。後継を放棄したお父さんの代わりに私と理玖が久世を背負っていくんだから、これ以上干渉するなら、家出るよ」
コツンと頭を小突かれた。
「言い過ぎ。お父さんに謝れ」
「…ごめんなさい。本気で言ったわけじゃないの。自分達で選んだことだから、お父さんが罪悪感を感じたりする必要はない。プライベートなことに干渉してほしくないだけ」
「はいはい。お父さんは見て見ぬふりできるようになってください。あれでも若い2人なりに気を遣って過ごしてたんですから」
いつの間に来ていたのか母が仲裁に入ってきた。
「理玖くん、亜梨沙を叱れるなんて素敵だったわ。あの時、何も言わなかったら、あなたを見損なっていたわね。さすが、亜梨沙が好きになった男ね」
「恐縮です」
「もう、お母さん。恥ずかしい」
「私は、あなたには怒ってたのよ。お父さんにこれ以上酷いこと言うなら、その頬、思いっきり引っ叩いていたわ」