夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
うわー、想像しただけで悲惨だ。
頬を腫らした婚約発表って…ないな。
「理玖くんのおかげで、無事な顔で婚約者をお披露目できるんだから、彼に感謝しなさい。お父さんもです。理玖くんに意地悪言わないで、仲良くしないと私が家を出て行きますよ」
「それはダメだよ。ゆりちゃん出ていかないで」
「わかったのならいいです。今日は、2人の晴れの日ですよ。桜も満開になったいいお天気ですね。心からお祝いしてあげましょうよ」
「そうだね」
「お父さん…理玖くんに何か言うことあるでしょう?」
母の強い押しによろける父は、理玖の前に立った。
「今まで意地悪なことを言ってて悪かったね。後継者のお披露目おめでとう。僕なりにサポートするから仲直りしてくれるかい?」
「こちらこそ、口悪くてすみませんでした」
「うっ…その、ほんと君の亜梨沙に対する生々しい素ぶりは見たくないんだ。自重してくれると嬉しい」
『見なきゃいいだろ』
横から理玖の脇腹にパンチを一つ。
「自重する気はないんだね…よし、わかった。こうなったらここに防音完備の部屋を作ろう。お父さんに相談だ。いくよ、理玖くん」
どうして俺も?と自分の顔を指差して、仕方ないという態度で歩いて行くが、ウキウキしてるのが丸わかりだった。
「どっちも単純よね。さて、あなたは、誰よりも着飾らないと。準備していきましょう」