夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
お上品なご令嬢が壁に添えつけられた大きな鏡に映っていて別人かと思った。
前回以上に気合いの入ったヘアメイクアーティストさんでした。
「あら、さすがプロの方ね。亜梨沙がほんとのお嬢様に見えるわ」
私も思ったよ。だけどさ…一般人上がりだけど「一応、お嬢様だよ」
「そうね。理玖くんは普段はあれだけど、着飾れば、生まれながらの令息なのよね。今のあなたなら、隣に立っても見劣りしないでしょう」
「ほんと、ここ最近、お母さんってさ、何気に小出しで毒吐くようになったよね」
「あら、そうかしら?気がつかなかったわ。上流階級の奥様方に鍛えられたのね」
「私が後継になったばかりに、お付き合いも大変だよね。ごめんね」
「娘の為だもの。それくらいどうってことないわ。ごめんねって言葉より、ありがとうって言いなさい」
「ありがとう」
ギュッと抱きつきたかったが、お互い着物同士では、抱き合うことも諦め言葉だけに留めた。
「さぁ、お爺さま達がお待ちかねよ。行きましょう」
前回同様、控え室にと用意された和室の特別室では、既に3人がそれぞれの正装を装って待っていた。
思わず、理玖をガン見。おでこを出した七三分けの髪をサイドに流し、前髪を盛り上げて左右に流した清潔感ある髪型。いつもの無造作に整えたのも素敵だったけど、こちらはイケメン度が増す。