夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
うわっ、かっこいい。
光沢のあるブラックスーツは、この日の理玖の為にあつらえたオートクチュール。
靴も光沢があり、全身キラキラしてる。
後継者に決まった自信とブラックスーツの迫力にオーラもあるかも。
兎に角、この素敵な人は私の婚約者様だ。
お爺ちゃんとお父さんは、紋付袴で貫禄ある姿。
普段の2人の姿を知っているから言えるが、知らない人はあの姿の2人と同一人物とは思わない迫力がある。
着るものって大事ねと改めて思う。
「ほほう、似合うの」と、座椅子から見上げる祖父。
「2人とも美人だ。姉妹かと思ったよ。ゆりちゃん」と、母の横に立ち、母を褒めちぎる。
「…他の奴らに見せたくないほど綺麗で困る」と、正面に立って私の手の指先を握れば
反対の手の指の背で頬を撫で耳元に顔を寄せて言うのだ。『色っぽ過ぎて今すぐ押し倒したい』
三人三様の反応に、熱くなる頬を押さえた。
『もう、ふざけないでよ。この着物、国宝級よ』と照れ隠しで誤魔化した。
そんなことをお見通しな理玖は、『なら、脱ぐ時手伝ってやるよ』と帯を指先で突いてくる。
どうしようもないエロ大魔神を父が諌める。
「理玖くん、親の前で生々しい会話はやめてって言ったよね」