夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

ニヤリと笑う祖父と、予定外の行動をする理玖に、蒼白になり顔を片手で覆う父。

母は、私の側まで寄り「理玖くんお願いね。着付けの方が待機しておれるはずだから」

「わかりました」

「では、失礼します」

ちょっとした寸劇に、舞台俳優になったようだ。

支えられて、会場の外。
時間を持て余している招待客がまばらに目につき、事態を見つめているので小芝居は続く。

ホテルの支配人まで出てきて、大事になっていく。

もう、2度としないからね。

着付けをした部屋で、待機していた人たちにより、帯はとかれ、着物は脱がされ衣掛けにかけられて、私は襦袢姿を理玖の前でさらしている。

「どうしているのよ」

「倒れたら心配だから⁈」

嘘ばっかり。

「あらあら、素敵な婚約者様ですね」

騙されてるよ。外面がいいんだから…

「どうします?襦袢のままといきませんし目眩を起こされたなら奥様からお預かりしていますお着物にお着替えなさいますか?」

「苦しいのはちょっと…」

「大丈夫ですよ。ワンタッチ着物といってお一人で着られますし、奥様方がお家の中での普段着にされる物なので、いい物ですよ」

「どうして、そんなの用意してあるんだろう?」
< 156 / 168 >

この作品をシェア

pagetop