夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

「思ってたのと違う…」

「見解の相違だな」

ニヤリと笑った男は、すぐに欲情を引き戻し、場所を替えながら宣言通り抱き潰すのだった。

「信じられない。ほんとにあんなにするなんて、どれだけ性欲大魔神なのよ」

何度か気を失いながら、朝になっても続いた行為。
なのにだ…禁欲生活の禁断症状から解放された男は、

「まだ、残ってるからしような」

ニンマリと笑う。

顔目掛け、枕を投げつけも、どこ吹く風でかわされ、拒絶の声はキスで塞がれた。

ブランチを過ぎた時間になってやっと解放されたが、もう、眠いし、喉は痛くて声はダミ声だし、全身筋肉痛だし、腰が痛いし、起き上がることもできない。

それなのにだ…私をこんなふうにした張本人は、生き生きとお世話をやく。

備え付けのガウンを着せられ、抱き上げられてリビングの窓際のソファまで移動。セットされたブランチの前にあるソファに座らされて、目に留まるのは異色の、藍色の小さなケース。

ケースから指輪を取り出し指先で掴んだ理玖は、壇上でしたように、膝を立て腰を落とした。

「初めは、ただの一目惚れだった。だが、一緒に過ごすうち、お前に堕ちてしまった。亜梨沙が言うように島での出会いは運命だったんだ。俺は死ぬ瞬間までお前と愛し愛されたい。ずっと側にいてくれ」

「…うん、側にいる。離れないんだからね」

「のぞむところだ」そう言うなり私の左薬指に指輪がはまったのだった。

プロポーズのやり直しは、ガウンでという間の抜けた物だったが、幸せだからいいかと理玖の顔を引き寄せ、指輪のお礼に唇にキスを返した。
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