夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

先に、作り終えていた理玖の作品を見ることができなかったので、気になっていた。

「秘密だ」

「ケチ…」

「出来上がたら、見せてやるから楽しみにしてろよ」

「うん、楽しみにしてる」

そのまま、近くの天然ビーチまで足を伸ばした。

ちょうど、夕焼けが地平線の空の向こうまで赤く染めて、雲も赤く染まり、昼間に見る海の風景との違いに歓喜の溜息をついていた。

「綺麗だね」

「タイミングが良かったな」

「ほんとだね。連れてきてくれてありがとう」

「また、他のビーチから見る夕焼けも見せてやるよ」

その後、宿に戻って、食後はオーナーと真耶さんと理玖で、また、晩酌が始まった。

綺麗な夜空なのにオーナーが、空を見上げて顔を顰めている。

「どうしたんですか?」

「うーん…きっと明日は、蒸し蒸しと暑いぞ」

「亜梨沙、泳げるか?」

「うん」

「なら、明日は海でも行くか?」

理玖が、ウキウキと提案してきた。

「いいけど」

折角、綺麗な島に来たのに、ビーチとは無縁の生活を送っていたので、内心、誘ってもらって嬉しかった。

翌朝、宿泊客は、予定を繰り上げてお昼前に、島を離れて行く。

食堂にあるテレビでは、台風予報が流れていて、オーナーは、空を眺めていた。
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