夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
「台風が来るんですね」
「ニュースでフィリピン沖にある台風が、こっちに来る予定ではなかったんだがな…ずっと向こうの奥にある雲が山のように立ってるように見えるだろう。色も他の雲より暗い。あれは雨雲だ。だが、ただの雨雲じゃない。わかりにくいが積乱雲が集まり出して反時計回りに大きく巻くようにゆっくりと動いてる渦の尻尾だ。進路が変わったらしいな」
「あら、大変。上陸しないといいわね」
「まぁ、今日、明日と仕事にならないな。理玖、海に行く前に少し手伝え」
「あぁ、わかった。亜梨沙、少し待ってろよ」
「うん」
オーナーと2人で、外に出て行った。
「どこへ行ったんですか?」
「コテージの窓が割れないように、雨戸を閉めに行ったのよ。さぁ、亜梨沙ちゃん、海に行くなら、お弁当を持っていかないとね」
満面の笑みで、キッチンへ入っていった真耶さんの後に続いた。
4人分のお弁当を作り終わった頃、理玖とオーナーが戻ってきたが、頭から服まで、蜘蛛の巣などで汚れている。
「あらあら、あなた、シャワー浴びてらっしゃいな。着替えたら、私達もデートしましょう。理玖も早くしないとデートの時間がなくなるわよ」
食堂を閉めて、オーナーと真耶さんはさっさと上に上がってしまい、私と理玖は一旦コテージに戻った。