夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

「その荷物」

「あぁ、真耶さんとお弁当作ったの」

「また、限度を知らない量か?」

「まさか、ちゃんとセーブしたわよ」

「なら、いい。ちょっと待ってろよ。あっ、お前、水着は?」

「持ってきてるから、私も着替えてくるね」

部屋にもどり、スーツケースの奥底にしまってあった水着を出して、念のために持ってきてよかったとニヤついてしまった。

黒生地の花柄ホールドネックのビキニ、Vネックワンピースファッションタイプの水着3点セットは、通販で購入したお気に入り。

買ったはいいが、お稽古事で友達とも会えない日々に、着る機会がないと諦めていた。

長い髪をポニーテールにして、水着を着用してみると、意外と胸元が開いている。

水着だからだろうが、ちょっと、いや、かなり恥ずかしい。

うーんと、考えた末、冷房避けに持ってきたロングカーディガンを上から羽織って、鏡の前でくるっと回る。

いいんじゃない。

ウキウキとしている自分を止められない。

軽い足取りで理玖の部屋に戻ると、既に髪を乾かしてアロハ柄のハーフパンツに白いTシャツ姿で待っていた。

かっこいい人は、何を着ても似合うらしい。

見惚れていると、理玖も私をジッと見ていた。

「それって、他で着たことあるのか?」
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