夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
お昼は、とっくに過ぎているのだから仕方ないと思う。
「…亜梨沙お手製の弁当を食べるか?」
「真耶さんと共同作業だけどね」
「自分が作ったって言えばいいのに…そういう、根が真面目なところお前らしいな」
「はいはい、融通がきかないですよ」
「褒めてるんだがな。俺は、お前の真面目で素直に口に出せるところ、好きだけど」
「…それ、褒めてる?」
「褒めてる。…好きだ」
「えっ…」
「出会って数日だけど、本気だぞ。俺は、好きでもない女と手を繋いだりしない」
「……ありがとう。嬉しい」
「それって…」
前のめりに、理玖が顔を近づけてきた。
「私も、理玖が好き…だと思う」
「思うって、なんだよ」
「ごめん。私ね、祖父の決めた婚約者がいるの(候補だけど、話がややこしくなるので省略した)だから、理玖に惹かれてるのに、好きになっちゃいけないって…このまま、曖昧な関係で終わった方がいいと思ってた。まさか、理玖から好きって言ってもらえるって考えてもなかった。…嬉しいから、困る」
「嬉しいなら、そのまま好きって気持ちを誤魔化すな」
そう言って、頭を撫でていった。
これ以上、私を困らせるのも良しとしなかった理玖は、話題をお弁当のおかずに変えた。