夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
「この卵焼き、亜梨沙が焼いたんだろ」
「そうだけど、どうしてわかるの?」
「焼きの色むらがある」
そう言いながら、パクっと口の中に…
「うん、美味い。焦げがいいアクセントだ」
ニヤリと笑い、わざとふざけているのは、突然の告白で、私に気を使わせないようにだろう。
「もう…味付けは真耶さんだもん。美味しいに決まってる」
「おっ、アスパラの肉巻き…うん、美味いぞ」
「巻いて、焼いただけだけどね」
「拗ねるなよ」
「拗ねてない」
ぷいと顔を背けた。
「あーもう。ほら、あーん」
口元にアスパラの肉巻きを持って、理玖が口を開けろと自分の口も開けていた。
咄嗟に、先程、真耶さんから聞いていたある物を理玖の口の中に入れてやった。
「うっ…」
その隙に、アスパラの肉巻きをパクリと食べて、しめしめと笑った。
「あーりーさー」
「好き嫌いはよくないよ」
理玖の大嫌いなにんじんが、彩りに、バターソテーして飾り切りして並べてあったが、彼は、避けていたのだ。
「私が作った飾り切りのにんじんだよ。美味しいよね」
「…一つで十分だ」
持ってきていたお茶を、ぐびぐびと飲み、にんじんを流し込んでいた。