夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

「やはり西側よりか。それなら、お前のコテージなら、岸壁が壁になるな」

「あぁ、とういうことで、亜梨沙、俺の部屋に荷物ごと移動だ」

「あら、亜梨沙ちゃんだけ、ここに来ていいのよ」

「真耶さん…」

台風が過ぎるまで、理玖と2人きりになるのも躊躇われるし、オーナー夫婦の家にお邪魔するのも気が引ける。

「亜梨沙が困っているだろ。雨風の中、行ったり来たりするより、俺んとこに来た方が早くて安全だ。亜梨沙、ひどくなる前に行くぞ」

理玖に強引に手を引かれる私を、真耶さんとオーナーが呆れた笑いで見ていた。

さっきよりひどくなった雨風の中、私のコテージまで走ったが、頭からびしょ濡れ状態で、雫が床に落ちている。

気にしてる余裕もなく、キャリーケースに荷物を詰め込み、少し離れた隣のコテージまで、また走ることになる。

重いキャリーケースを理玖が持ってくれているが、更にひどくなった横なぐりの雨風に、体がもっていかれる。

なんとか、たどり着いた理玖のコテージは、岸壁のおかげで、風の抵抗をあまり受けていない気がする。

「ふう…やっと着いたな。荷物は、ここに置いておく」

「ありがとう」

お互い、水着を着ているとはいえ、びしょ濡れ状態。

「先にシャワー浴びてこい」
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