夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

「えっ、いーよ。理玖が先に浴びておいでよ」

びしょ濡れなのは、お互いさまだ。

「…わかった。一緒にシャワーを浴びる」

「えっ、なんで?」

「つべこべ言うな。体が冷えてるのはお互いさまだ。水着を脱がなきゃいい」

有無も言わさない勢いで、シャワールームに入ってしまった。

理玖が、レインシャワータイプのコックをひねり、上から出る温かいお湯加減を手のひらで確認した後、私をシャワーの下に導いた。

強引だったが、おかげで肩から温かさがじんわりとしみていき、体の強張りもほぐれていく。

「理玖もおいでよ」

今度は、シャワーの外で待つ、上半身裸の理玖の手を取り、シャワーの下に導いたが、2人があたるにはお湯の勢いは足りない。

だが、あたらないよりマシだった。

お互いに譲り合いながら、体のベタつきをお湯で洗い、髪も洗っていく。

冷えた体が温まっていくと、逆に冷静にもなっていく。

この状況、付き合ってるカップルのようだ。

ふと、目の前の男の筋肉質な胸に目が行き、上目遣いで、男を見上げたら、視線が重なってしまい、目を逸らせなくなる。

男の目は、艶っぽく欲情を孕んでいたからだ。

両肩を掴まれて、顔が近づいてくる。
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