夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
キスされるとかまえた…が、理玖の胸に掻き抱くように抱きしめられ、そっと彼の背中を抱きしめた。
「亜梨沙…」
苦しそうに私の名前を呼ぶ理玖。
「こんな気持ちは、初めてだ。婚約者がいるってわかってるが、好きななんだ。キスしたい。抱きたい。……俺のものになれ」
惹かれているから、直球過ぎる告白に諍う理由を見つけられなかった。
「理玖…私も好き。ここにいる間、あなたのものになりたい」
喜びで笑顔を見せた理玖を、悲しみに落としてしまい胸が痛む。
「亜梨沙…ここにいる間だけなのか?」
「ごめん。酷いこと言ってる。やっぱり、友達でいましょう」
緩んだ腕、その隙に理玖の胸を押して距離をとった。
だが、また掻き抱く腕の中に戻っていた。
「残りの数日だけでもいい。俺の女になれ」
「いいの?」
「いいさ…付き合ってもすぐ別れるカップルなんてごまんといる。だが、俺たちは、別れを前提として付き合うんだ。期間限定の恋人だ。最後は、笑顔で別れよう」
「ごめん」
「謝るな。港で目が合った瞬間から、一目惚れだった。男がいても奪う気でいたからな」
「嘘、あんなに意地悪だったのに、信じられない」
「男は、好きな女をいじめたくなる生き物なんだって知ってるか?」