夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

濡れた体をバスタオルで覆い、抱き上げて体を拭いてくれる。そしてクローゼットから出してきたシャツを上から羽織らされれば、膝上までになる。

まぁ、隠れているからいいかと安易な気持ちになるのは、背後から抱きしめてくる理玖が、つむじにキスをしてきたから。

「男シャツ着る女って、あざとくて萎えたけど、好きな女が着てると、いいもんだな。見えそうで見えないラインに、手を入れたくなる」

そう言うなり、腹部にある手を下に伸ばそうとするので、その手の甲をつねってやる。

「痛いな」

「朝からやらしい」

「朝じゃなきゃいいのか?」

揶揄う口調で、頬にキスをして私の反応を伺っている。

「バカ」

真っ赤にさせた私から離れ、楽しそうに笑っていた。

朝食というよりブランチに近い時間帯に、理玖が簡単にご飯を作ってくれるらしい。

どうも、朝早くに台風の去った後の後片付けをオーナー夫婦としてきたらしい。

そして、簡単にできる食材をわたされたと、告げられた。

なんだか、私の考えすぎなのだろうか?

朝、顔を出さない私。オーナー夫婦は、昨夜、何があったかを悟っているのではないかと考えてしまう。

小さなキッチンでできるものといえば、限られる。

冷蔵庫にあるマヨネーズを食パンに塗り、少し中央を卵でくぼみを作って、そこに卵を割って焼いたものだった。
< 44 / 168 >

この作品をシェア

pagetop