夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
「はい」
『じゃあ、後、数日、リフレッシュしてらっしゃい』
言いたいことだけ言い、通話は切られた。
聞こえたであろう会話に、理玖は笑いを堪えていて苦笑い。
「娘が、休息先でできた彼氏の膝上で、親と電話しながら、こんなエロい格好でいるなんて見せられないな」
背後から、抱きしめる腕。そして、いたずらにうなじをなぞる声と唇に、吐息を漏らす。
このまま流されるわけにはいかない。
「ねぇ…」
「…うん」
甘ったるい理玖の声に、スイッチが入っていると確信した。
まだ行為になれない私には、理玖の欲情を真昼間から受けとめる勇気はない。
「島の台風の被害は、大丈夫だったの?」
「あー、早朝から、島住民であちこち見て回ったから、大丈夫だった。速度が速かったからか、大きな影響を受けなかったようだ。なぁ、今、聞くことか?」
私の肩に顎を乗せて、文句を言う。
「外に出てないから、気になって…」
「なら、見て回るか?どうせ、焼き上がった湯呑みも取りに行かないといけないからな」
「うん」
それから、準備ができると島を一周するコースで歩いたら、あちらこちらに、台風の被害が最小限ながら残っていた。
トタンの破片、木の枝などなど。