夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
陶芸家の方のお家は大丈夫だったのだが、外壁のない屋根だけついた作業場の中は、雨風の影響を受けて、ぐちゃぐちゃになっていた。
「あぁ、来たか」
片付けをしていた陶芸家の男性が、汗を拭い、作業場を見渡し苦笑いする。
「大事な作品や道具は、家の中にしまったから無事なんだが、まさか、ここまで吹き込むとは思わなかったよ」
「あの、お手伝いします」
「いやいや、お客さんに手伝ってもらうわけにはいかないよ」
「でも、一人じゃ大変だろ」
遠慮する男性が断ろうとする前に、理玖と私は、濡れている品々を外に出して拭いたり、ゴミを拾い、床の水溜まりをモップで掻き出した。
一通り片付けがおわった頃、男性が冷たいお茶を出してくれた。
「助かったよ、ありがとうな。手伝ってくれた礼に、今回の陶芸料はいらないよ」
「いえ、そんなつもりで手伝ったわけじゃないので、お支払いさせてください」
「そうだぜ。困った時はお互いさまだろ。それとこれは別だから、支払いはさせてくれ。どうしても、気になるって言うなら、また、台風が来て、叔父さんとこが困ってたら、手伝ってやってくれたらいいよ。それでチャラだ」
「…わかった。それで手を打とう」
そして、支払いをしようと財布を出したが理玖に止められた。