夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
理玖が私の判断を待っている様子が、ありありと感じられる。
「明日、帰ります」
台風が過ぎ去るのを待つと、それだけ理玖と一緒にいられるが、先延ばしにする分、思い出が増え、別れが辛くなるという私の決断だった。
決めたくせに、何も言わない理玖に引き止めて欲しいと願う、身勝手な思いが苛立ちに変わる。
夕飯後、飛行機の手配と荷物の整理をするという理由で、オーナー夫婦と最後の晩酌を断った。
コテージまで無言の2人だが、手はしっかりと繋いでいる。
苛立っているのに、この手を離したくない。
コテージに着くなり真っ暗な部屋の中、お互い、引き寄せられるように抱き合った。
「亜梨沙…」
「理玖」
お互いの名前を呼び合い、唇を重ねた。
掻き抱く腕、深くなるキス、舌を絡めて、吐息を漏らし、夢中になっていく。
薄明かりを頼りにベッドに辿り着く前まで、お互いの服を脱がしあい情欲に溺れるのは、もう、2人には残された時間がないせいだろう。
ベッドに着くなり、全ての衣類を脱がされた私を跨ぐ理玖は、まだジーンズを履いていた。
そのボタンに手を伸ばして驚き、手を引っ込めてしまった。
彼も興奮していることが伺える。